15.05.07 - ドイツ旅行記「KISD」ワークショップに参加しました!

Info - 2015 - Travel

 

ドイツのケルンにあるデザインスクール「KISD - Köln International School of Design」のワークショップに参加しました。

学生時代の恩師である日本大学芸術学部の笠井則幸先生によるタイポグラフィのWSです。

 

 

KISDはインターナショナルなデザインスクールで、主にヨーロッパや他国とパートナーシップを組み、

幅広いネットワークで国際的指向のデザイン教育を提供している学校です。

在籍する学生のうち、留学生は40%にもおよびます。日本から留学している学生さんにもお会いしました。

https://kisd.de/

  

 

KISDは、世界中のデザインカレッジより講師をゲストで招きワークショップを行っており、

異なる文化の違いに対するデザイン教育に大変熱心です。

今回は日本大学芸術学部の笠井則幸先生によるタイポグラフィのワークショップに同行させて頂きました。

 

 

ワークショップのテーマは「タイポグラフィの解体と再構築」。レクチャーからプレゼンまで一週間。

 

身の回りにある環境を観察し、興味のある文字、もしくは文字に見えるものを集め、

集めたものを、どこの形に興味があったかを考え、意味を持たせたり、違う意味を付け加え、解体。

解体させたものを再構築させて、あらたな視覚言語、文字を制作し、新しい表現方法に挑戦します。

 

 

美大を卒業して、デザインの仕事をするようになり、はや10数年。

ある程度具体的な依頼の制作に、いつの間にか経験的なスイッチで制作するようになり、

自由度の高い表現とイマジネーションの必要性に、学生の頃の課題を思い出し、初心に返りました。

 

 

難しいお題にも、生き生きと制作を進めていく学生さん達。

左はベトナムより留学中のヴァンさん。彼女が持っているエネルギーはとても強く、制作意欲がみなぎっていました。

彼女のスケッチから、既にクリエイティブセンスが溢れています。

 

 

下は地元ドイツのケルン出身のジャニナさん。最初から最後まで、まっすぐのぞむ姿勢が印象的でした。

「日本人とドイツ人は似ている」というのを聞いたことがありますが、彼女をみていると、とても納得でした。

  

 

下は香港より留学中のホン君。いつも愛嬌たっぷりで、とにかく楽しそうに制作している姿がとても印象的でした。

 

 

最終日は、作品の展示とプレゼンテーション。

一週間というハードなスケジュールのなか、作品を仕上げ、展示もします。

  

 

KISDでは、ワークショップの課題発表もフロア展示し、プレゼンテーションを行います。

科を越えた先生や、WSに参加していない生徒など、誰でも参加できます。

 

私の学生時代は、全体での展示やプレゼンは卒業制作のみ。

普段の授業課題はクラス内での発表だったので、そのスタイルには驚かされました。

 

 

参加者の前で、一人ずつ作品をプレゼンテーションします。

さすがインターナショナルなスクールだけあって、プレゼンがとても上手でした。

堂々としていたり、笑顔であったり、身振り手振り動きがあったり、聞いていると作品の魅力がより伝わってきます。

 

Work by Van Nguyen

 

 

Work by Janina Rösch

 

 

 

基本的な制作の考え方や視点には、日本と大きな差は感じませんでしたが、大きな違いを感じた点はレイアウトの力。

美しく綺麗な構成が多くありました。

 

Work by Chung Hong Hui

 

 

私の学生時代には「レイアウト」という概念だけの授業はありませんでしたが、

ヨーロッパでは、とてもレイアウトに重きを置いており、

レイアウトの専門家がいたり、学校でも専門の講座やコースがあるそうです。

 

 

私の日本での仕事を学生に紹介した時、下の作品が一番、学生の興味をひきました。

「このポスターのレイアウトとシンプルな強さは、ヨーロピアンスタイルだ。」と言っていました。

今回のWSの講師である笠井則幸先生の2010年展覧会のポスターを、私がデザインさせて頂いたものです。

 

Art direction : Harawaki yu

Design: Harawaki yu

Client : Kasai Noriyuki and Inubushi Takumi

  

 

 

上は台湾より留学中のウォン君。ワークショップ初日、緊張でカチカチになっていた私たち日本人に

「カフェで一緒にお茶しようよ!」と笑顔で声をかけてくれました。そんな彼の人柄が作品のテーマにもあらわれています。

 

Work by Wei-Li Wong

 

 

ワークショップを終えて、一週間の短い期間のなか、大変充実した時間を過ごしました。

国際的な教育の現場をみることができ、とても勉強になり、多くの刺激をうけました。

 

 

様々な国出身の学生が集まるインターナショナルスクール。

もちろん授業やコミュニケーションは英語です。

 

英語力を身につけて、もっと外向きなコミュニケーションの必要性も、痛感しました。

初めてのドイツ。初めての海外のデザインスクール。想像以上の実りの多い旅となりました。

 

 

上の写真はスクールのカフェで見つけたもの。

壁のコンセントの上に、各国の言語で落書きがありました。落書きも国際的です。

なんと書いてあるでしょう? もちろん日本語もあります。見つけてみてください。